相続の専門家としてこれまで数多くの相続税申告のお手伝いをしてきた越阪部先生。「信頼によって、未来は明るくなる」をスローガンにコミュニケーションをとても大切にされています。そんな先生に事務所の特徴や今後についてなどインタビューさせていただいた。
先生が税理士になったきっかけは?
日本大学の商学部会計学科に進学し、1年生の時に、第二外国語のクラスで1泊2日の旅行に行きました。そのときの担任の先生が今でもお付き合いのあるゼミの先生で、元々国税庁にいらっしゃった方でした。その先生から色々と税理士についてのお話を聞いて、興味を持ち、挑戦してみようと思ったことがきっかけです。
税理士法人NCPの特徴って?
当税理士法人は相続専門の事務所です。相続はみなさん何度も経験されることではないと思いますし、お客様としても税理士に依頼するハードルが高く、そもそも依頼をされていないという方も非常に多いです。そのハードルを低く下げるために我々が1番重要視しているのがコミュニケーションです。コミュニケーションをしっかりととることで、お客様も徐々に心を開いてくれます。
当事務所のスローガンは「信頼によって、未来は明るくなる」です。信頼関係を築くためには当然コミュニケーションが必要です。資料をお預かりしてから相続財産を評価するのに2、3か月かかるのですが、その期間なにも連絡がないとお客様は不安になってしまうと思います。評価期間中も頻繁に連絡を取り合うことを心がけ、なにか確認事項があった際もその都度連絡を取り、併せて進捗状況の報告も行うようにしています。逆にお客様からご連絡いただけた際も、クイックレスポンスを心がけ、そういったところでも信頼関係を築けるようにしています。
これまで相続専門として、600件ほどお客様の相続税申告のお手伝いをさせていただきました。仮に同じ1億円の財産がある方でも、家族の構成や性格が違っていたり、「遺産分割で揉めたくない」「相続手続きを早く終わらせたい」「将来的な二次相続の税金を低く抑えたい」など様々なニーズがあります。何をお客様が1番重要視しているかコミュニケーションをとりながら、リアクションを見ることで、これまでの経験からある程度はわかります。
お客様は、ご相談の際、色々な心配事があり、不安を抱えられている方が多いです。なので、我々がレールを引くではないですが、最初の段階で、ポイントになるところをお伝えするようにしています。最初の段階でそこまで理解してくれている、考えてくれているというところでお客様にまず安心していただき、それが信頼にもつながっています。
当事務所はリピーターのお客様もとても多いです。リピーターが多いところもお客様から私たちの対応を評価していただき、信頼を得ている証なのかなと思っています。
今後の税理士業界についてと先生の展望を教えてください。
AIがどんどん発展してきています。その中で、相続分野においてAIに対応できないことはお客様対応です。相続自体はなくなるものではなく、申告の件数も徐々に増えているので、より相続分野における専門性、対応力は問われていくと思います。また、相続分野は現在価格競争が起こっているのですが、仮に当事務所が出した報酬の見積もりが他事務所と1、2万円しか変わらないという理由だけでお客様は安い方を選ばないと思います。そこは当然対応力、経験、知識、ノウハウが求められるところだと思っています。
ネット社会になってきているので、昔のように営業をかけたり、DMを送ったりするのではなく、最終的にはパソコンや携帯でネットの情報を見て探される方がほとんどなので、その部分も強化していく必要があると思います。
コロナの影響もあり、ZOOMやテレビ会議による面談などリモートでの働き方もあるということをみなさん認識されて、業界としても若干対応が変わっていくのかなと思っています。実際に、リモートですと訪問をする必要がないので、その分値引きしますといった事務所も出てきています。
現在当事務所は東京の1拠点でやっています。元々NCPグループというのがあって、1番上が司法書士法人NCPです。そこは全国各地に拠点があり、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、京都、福岡などに展開しています。相談センターも数多くあり、相続分野における司法書士法人ではナンバー1です。今そこの方から全国に展開して欲しいという話が出てきています。以前私は大阪でセミナーをやったのですが、そういったものも見ていただいた上で、越阪部さんであれば任せられると感じていただいてのオファーだと思うので、当然一気に全国展開することは難しいですが、そういったニーズや期待があるのであれば、今後は応えていきたいと思っています。
ただ、全国展開するにも課題があり、税理士はその拠点に常駐している必要があります。例えば、名古屋に拠点を作ろうとすると、その名古屋の事務所に税理士がいる必要があるわけです。当事務所のメンバーであれば、ずっと一緒に仕事をしてきたので安心して任せられるのですが、家庭もあるので、そう簡単に名古屋に引っ越してもらうというわけにはいきません。とはいえ、直接名古屋で採用した人にいきなり拠点を任せられるかというと、相続はやったことがない税理士も多く、当事務所のルールもあるので、そこが不安な点ではあります。ただ、そういった事情はどこも同じだと思いますので、その課題を乗り越え、全国展開できる体制を整えていきたいと思います。